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2022年 社長インタビュー(中編)

コロナ禍の2年を振り返って(その2)

第31期 2021年2月から2022年1月について

ーGO-TOトラベルの全国一斉停止、医療の緊急事態宣言の発令などのあった2020年末でしたが、明けて第31期上半期(2月~7月)の動向はいかがでしたか?
山本:既に話したとおり、入札での売買動向がかなり復活したとは言え、中国頼みという状況下で春節(中国の旧正月)の動向が気がかりだったが、それは杞憂に終わった。ただ、真珠全般で言えば、2019年頃から日本の養殖場の海水温上昇が常態化しアコヤ貝の壊死、という報告が相次いでいる。結果、挿核などのオペ数が激減、生産量、売買ともに縮小傾向となり、アコヤ真珠業社が先行きを不安視していると見聞きするようになった。

ー忘年会や帰省などが原因と思われる年始早々からコロナ感染は拡大し、現時点でも危惧は続いていますが、改めてどのように感じておられますか?
山本:感染が続き、夏はデルタ株の流行による死者、重症者の増加報道もあり、終息は2021年末になるのではないか、と感じていた。9、10月にいったん終息の兆しが見え、これで落ち着くかと思っていたがオミクロン株の発生で感染は繰り返されている。2022年も当面、コロナと向き合うことになるだろう。現状では、予防の徹底、つまり手洗い、換気の励行、三密を避けるなどで対応していかざるを得ないと思う。『正しく怖れ、正しく分析する』ことを続けたい。

ー東京オリンピックは開催されるも無観客で、海外顧客による消費拡大の思惑も霧消してしまいました。コロナ長期化によってGOLDEN PEARLなどの南洋真珠市場も影響を受けたと思われますか?
山本:小売業者にとっては、オリンピック無観客開催の影響はかなり大きかったと思う。その小売業者に卸売りする我々も同様の状況を覚悟したが、中国を主とする外国人バイヤーの勢いが予想以上にあった。また、日本のバイヤーにも今までと異なる動きが出てきた。主力としていたアコヤ真珠が前述のように減産したほか、タヒチ産の黒蝶真珠が生産過剰によって品質低下したため、それらの購入が減少。その結果、バイヤーの資金枠に余剰が生じ、品質をキープしている南洋の白蝶真珠に購入の選択が傾いた印象を受けている。

山本:ただ、コロナ感染が世界各地の養殖場にも拡大し、現地の一部スタッフが療養を余儀なくされたことで、真珠の十分なケアや浜揚げの適正時期にそれができない、などのマイナス面も生じた。そのため、我々生産業者の取扱量も影響は否めず、コロナ前の全生産量と2022年初を比較すると約6~7割の供給にとどまる見込みと予想される。

ー職場環境のことについてもお尋ねします。コロナの影響でリモートワークが推奨されていますが、カラミアンパール内での導入については?
山本:真珠選別作業を行う上で自然光が重要、特に冬場は日照時間が少なく「おひさまとの勝負」。真珠を自宅などの社外に持ち出すことは防犯上できないため、我々の場合、リモートワークは現実的とは言えない。通常の勤務時間を≪早く出て早く帰る≫時間にシフト変更するなど、ラッシュアワーを避ける工夫で乗り切ってゆきたい。

(次回、後編に続きます)

2019年末、中国武漢から初報告のあったコロナウイルス、COVID19。以来2022年の現時点まで、感染は世界規模で拡大を続け、否が応でも我々はこのウイルスと向き合うことを余儀なくされている。今回、弊社代表取締役 山本幸生がこの2年を振り返るとともに、次期(第32期)への展望を語るインタビューを2022年1月に実施した。

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